12月11日(月)11時から厚生労働省で、あすのば、シングルマザーサポート団体全国協議会、セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの3団体が「ひとり親家庭への児童扶養手当の増額と所得制限の緩和」に関する共同記者会見をしました。
日本のひとり親家庭の貧困率は、44.5%と高く(2021年「国民生活基礎調査」)、児童扶養手当の給付は、命綱となっています。しかし、長年にわたり、児童扶養手当の支給額は、物価による増減はあったものの増額されておりません。一方で、低所得のひとり親世帯の窮乏は、非常に深刻であり、子ども一人あたりの支給額の増額が必要です。
また、児童扶養手当の厳しい所得制限が、ひとり親の就労抑制となっています。ひとり親世帯の自立促進のためにも、所得制限の緩和が求められています。
会見では、「①ひとり親家庭への児童扶養手当を子ども1人あたり1万円の増額を、②児童扶養手当の満額支給の所得制限を200万円(現行160万円)に、一部支給を400万円(現行365万円)に」と訴えました。
会見を受けて、TBSテレビとテレビ朝日が報道しました。
【TBSテレビニュース※2023/12/12閲覧】
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/888164?display=1
【テレビ朝日ニュース※2023/12/12閲覧】
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000327858.html
また、同日14時から国会内で、超党派の国会議員による「子どもの貧困対策推進議員連盟総会」が緊急開催されました。
来年度の子どもの貧困対策関連予算について与野党の国会議員が活発な議論を交わしました。議連総会では、関係団体として、記者会見をした3団体とキッズドアが発言しました。
小河光治代表理事は、記者会見で訴えた2つの要望を発表した上で、
「こども大綱のとりまとめにあたっては、10月12日に開催された議連総会で私たちの要望を全面的に受け止めていただき、田村憲久・議連会長はじめ超党派の国会議員のみなさんがワンボイスでご発言いただきました。そして、こども家庭庁では、こうした意見を受け止めていただき、大幅な追記をしていただきました。
大綱案には、『今この瞬間にも、貧困によって、日々の食事に困るこども、学習の機会を十分に得られないこどもや、進学を諦めざるを得ないなど権利が侵害された状況で生きているこどもがいる。こどもの貧困を解消し、貧困によるこうした困難を、こどもたちが強いられることがないような社会をつくる』などと多くの追記をいただきました。
こども大綱案にも『こどもの貧困の解消』と明記いただいています。そのためには、まずは、国際比較でも極めて厳しい貧困率であるひとり親家庭の貧困の解消こそが最優先です。
その最も大切な施策は、児童扶養手当の拡充です。
最低賃金は、40年前に比べ2.44倍に増えましたが、児童扶養手当は、40年前に比べ1.35倍で、20年前から2,140円しか増えていません。
私は、交通事故で父を亡くした死別母子世帯でしたが、父の年金を納める期間がわずかに足りず、遺族年金が受けられず、40年前まで児童扶養手当を受けていた当事者でした。
児童扶養手当のベースは何も上がっていないというような状況が、これまでずっと放置されてきました。
『異次元の子育て支援』においては、ぜひともまずは、一番困っているひとり親の児童扶養手当のベースを上げていただくということこそ必要です。
報道では、第3子以降の加算額をあげるということで、これはありがたいことなのですが、ひとり親世帯の半数以上が子ども1人であり、子ども2人までの大多数のひとり親世帯にはまったく光が当たりません。
児童扶養手当を受けている子どもは130万人です。もうすぐ、クリスマスですが、プレゼントももらえない、お年玉ももらえない、そういうような状況を強いられています。
前回の議連総会と同じように全党の議員の方々が一つになっていただき、ぜひ、児童扶養手当のベースを上げていただくという、子どもたちに素晴らしいクリスマスプレゼントを贈っていただきたいと切に願っています」と述べました。
私たちの訴えについて、田村憲久会長はじめ与野党の国会議員のみなさんがしっかりと受け止めていただき、とても心強く温かいご発言をいただきました。今回も私たちの要望実現に向けて、今後も粘り強く訴えていきます。