2022年7月4日(月)、「子どもの貧困対策 全国47都道府県キャラバンin島根」を島根県民会館大会議室とオンラインのハイブリッドで開催し、合計139人が参加しました。オンライン参加では、県内はもとより、北海道・鳥取県・広島県・福岡県・佐賀県からも参加がありました。
主催者挨拶を小河光治・あすのば代表理事が行い、共催挨拶を安食治外・島根県健康福祉部長が実施しました。
引き続き、小河光治代表理事が、「市町村における子どもの貧困対策推進のために」をテーマに、すべての子どもたちへの支援拡充と困難を抱える子どもたちへのより手厚い支援を求め、あすのば設立の経緯、子ども・若者たちの声、各地での実践例も具体的に紹介しました。来年4月発足予定の「こども家庭庁」についても子ども政策の司令塔としての役割を解説しました。島根県及び県内各市町村の職員も多数参加してくださいました。
パネルディスカッションでは「それぞれの立場から見た子どもの現状~気づき、支え、未来をつなぐ~」をテーマに、コーディネーターを髙橋憲二さん(青少年育成島根県民会議会長)が勤め、パネリストには野津久美子さん(地域つながりセンター事務局長)、細川豪さん(はまだこども食堂実行委員会代表)、比良静代さん(しんぐるまざあず・ふぉーらむ出雲(島根)代表・オンラインで参加)、松嶋由香里さん(美郷町健康福祉課課長)が登壇しました。
細川さんは、浜田市での「はまだふれあい食堂」の立ち上げ期の困難だった報告やコロナ禍で「公民館便り」にふれあい食堂の情報を載せられなくて、地域のお年寄りを置き去りにしてしまった経験も含め、地域での子どもだけでなく、支え合うことの大切さを伝えました。7月16日(土)リアル食堂の再開を準備しながらも第7波のコロナ感染拡大が忍び寄り、再開への熱い思いと感染への迷いも語りました。
野津さんは、「なないろ食堂」の開設と経緯から語り、フードバンクしまね「あったか元気便」へたどり着いた内情も伝えてくだいました。今は体育館に90人のボランティアが集結し、各家庭に渡す食料の箱詰めを行っており、200軒中130軒は手渡しで配布している。手渡しで対面で配布することで「最近どう?」と普通の会話から、各家庭の困りごとや苦しい生活を聞き、実のある支援につなげている。
比良さんは、ひとり親家庭で育った体験から「しんぐるまざあず・ふぉーらむ出雲」を立ち上げ、2021年度から島根県全域に多機関・多職種と連携しながら、生理用品などを取りに来てもらう中で「どうしてます」、「学校行ってなくて」のやり取りが、支援した人と支援を求めている人とのマッチング力の大切さを痛感し、支援拡大へとつながっている報告がありました。
松嶋さんは、美郷町健康福祉課課長や福祉事務所所長としての立場でなく、保健師としての原点を大切に、「子どもの笑顔をふやすために」をモットーに、小さな町では「困っていることをなおさら言わない」、個々のケースでは親御さんの価値観も違うので、これらも理解したうえで、先ずは親との信頼関係作りが大切であり、個々に対応している現状を報告しまた。
参加者からは、
「子どもを取り巻く貧困の現状とその背景等を詳しく理解することができました。その解消をめざして、さまざまな立場の方々が、熱心に活動しておられることを知り、これから自分に何ができるかを考え、行動につなげていきたいと思っています。問題の解決には、やはり官民の連携・協働が肝要だと感じました。当事者の方々のお声を聴くと経済的な支援の充実とともに、心の支えにつながるような取り組みがたいせつだなぁと強く思いました(60代男性)」。
「日本全国の子供達が自分の将来に夢を持てるようにあってほしい。希望する学びに金銭的な制限がかからないような国(行政)の支援を望みます。あすのばの活動が子供達、若者の未来を照らしてくれると思います。大人は(社会)その現実をもっと興味を持って知らないといけないと思いました。パネリストのお話はいずれももう少し聞きたかったと思いました。身近な地域の話ですので、より興味があります。本当に貴重なお話をありがとうございました(50代女性)」
等の感想をいただきました。
当日は、読売新聞が取材し、翌朝刊で報道しました。
【子どもの貧困対策 全国47都道府県キャラバンin島根】
日 時:2022年7月4日(月)13時30分~16時30分
場 所:島根県民会館大会議室(島根県松江市殿町158)
主 催:公益財団法人あすのば 共 催:島根県
後 援:内閣府、島根県教育委員会・社会福祉法人 島根県社会福祉協議会・松江市・
松江市教育委員会・社会福祉法人 松江市社会福祉協議会・浜田市・出雲市・益田市・
大田市・安来市・江津市・雲南市・奥出雲町・飯南町・川本町・美郷町・邑南町・
津和野町・吉賀町・海士町・西ノ島町・知夫村・隠岐の島町・
特定非営利活動法人 ワーカーズコープ
助 成:公益財団法人キリン福祉財団
参加者:計139人(うち会場参加者53人・オンライン参加者86人)