「子どもの貧困対策2.0に向けて 法成立5周年・あすのば設立3周年のつどい」が6月16日(土)13時から、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京・代々木)で開催され、124人が参加しました。
村井琢哉・副代表理事(山科醍醐こどものひろば理事長)が参加いただいた方々への感謝を込めた開会のあいさつでつどいが始まりました。
【子どもの貧困対策法成立5年・あすのば設立3年のあゆみ】
まずは、学生ら手作りのバースディケーキに高校生たちが入刀。その後に、子どもの貧困対策法成立5周年・あすのば設立3周年のあゆみを発表しました。学生らがつくった年表をもとに、あすのばに関わってきた学生理事OBOGと現役の学生世代の理事から自身の思いも含めて紹介してもらいました。
現学生理事の工藤鞠子さんからは「街頭募金をすると、街の人がすごく反応してくれるようになった。これからは子どもたちの生活に変化を与えられるかが大切になってくる」とこの5年の変化とこれからを語りました。
【 子どもの生活と声1500人アンケート最終報告】
「子どもの生活と声1500人アンケート」最終報告では、検討会座長の末冨芳・日本大学文理学部教授、村尾政樹・あすのば事務局長はじめ各検討委員が登壇しました。
このアンケートは 2017 年春に「あすのば入学・新生活応援給付金」を届けた子どもと保護者にご協力をお願いし、1506 人から回答を得ました。
村尾政樹・事務局長から「最終報告では互いに似た性質を持つものを集め対象を分類するクラスター分析を行い、貧困状態のパターンとその多様性の解明を試みた」と説明。10パターンのうち、より特徴的な5つのパターンを中心に発表しました。門馬優・TEDIC代表理事は、「アンケート結果は、子どもたちから大人への通知表ではないか。子どもたちが助けて言いたいときに、助けてと言ってもらえる関係性が大事」と現場の経験に基づく意見をいただきました。
末冨芳・日本大学教授は「子どもの貧困対策は、ひとり親、生活保護、社会的養護がメインターゲットで、ふたり親多子世帯などへの対策はほとんどなく現状の対策の限界が浮き彫りになった。すべてのこどもが前向きな気持ちを持って生きられる社会を作っていくためのネクストステップが必要」と発言しました。
なお、最終報告へ向けた分析・考察にあたって日本アイ・ビー・エム株式会社さまに社会貢献活動として多大なるご支援をいただきました。
■子どもの生活と声1500人アンケート最終報告~ひとりひとり、1/1 の生活と声に向き合って~
【あすのば子ども委員会からの報告と提言】
続いて、高校生、大学生世代からの子ども委員会から報告と提言がありました。費用が出せなくて部活動を諦めたり、学費のためのアルバイトに時間を取られたりなどという声があったという報告に続き、大学生の赤星美月さんは、「子どもたちが『あたりまえ』を我慢しなければならない現状が、子どもの貧困対策法ができて5年経つにもかかわらず存在する。すべての子どもたちの『あたりまえ』が保障された世の中の実現に向けた法改正につなげてほしい」と涙ながらに訴えました。
【ワークショップ「子どもの貧困対策 “V2.0”に向けて」】
次に、6~7名のグループを作り、「子どもの貧困対策2.0に向けて」と題して、村井琢哉・副代表理事の進行のもとワークショップを実施し、各テーブルでは、さまざまな年齢、立場の方が、子どもたちのために何ができるかを考えました。
(画像をクリックすると拡大します)
最後に小河光治・あすのば代表理事が閉会にあたり、「アンケートの最終報告とワークショップでの提言などを子どもの貧困対策議員連盟の会合などでお伝えし、実効性の高い法改正をめざしたい」とあいさつし、つどいが終了しました。
参加者の皆さんからは以下のような声をいただきました。
「子どもの貧困について様々な視点から見ることができた。本当に人の数だけ色んなケースがあるのだということが分かった」(10代・女性)「ワークショップは普段の自分の環境とは違い、いろいろな人から話を聞くことができました。自分の予想をはるかに超えて、ためになるものでした。「自分にできることは何か?」を考えていきたいと思います」(40代・男性)「やれることからやる。自分の役割を認識する。みんなでそこから始めるしかないと思っています」(50代・男性)
<各報道機関で取り上げていただきました>
●TBS 低所得世帯の高1生徒 3人に1人がアルバイト(動画を見ることができます)
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3398128.htm
●共同通信 子どもの貧困対策見直しで集会 法成立から5年を前に
https://this.kiji.is/380651690259219553?c=39546741839462401