2019年10月26日(土)、「子どもの貧困対策全国47都道府県キャラバンinわかやま」を河西コミュニティセンターで開催しました。109人が和歌山市を中心に県内各地はもとより、大阪府・兵庫県・奈良県・滋賀県・岐阜県からも参加しました。
主催者挨拶を小河光治・あすのば代表理事が行い、和歌山県を代表して志場紀之・和歌山県福祉保健部福祉保健政策局長の挨拶がありました。和歌山県の子どもの生活実態調査報告を小峰伸也・和歌山県子ども未来課長が行いました。
パネルディスカッションは『今、和歌山で必要な子どもの貧困対策は』をテーマに、パネリストには、宇佐川彰男さん(太地町教育委員会教育長)、木下昌美さん(橋本市子育て世代包括支援センター所長補佐)、西田麻希さん(看護学生)、古谷香さん(和歌山県スクールソーシャルワーカー)が登壇、コーディネーターは、越野章史さん(和歌山大学教育学部准教授)が務めました。司会は、藁科佳奈さん(こ・はうす理事、和歌山大学4年)が行いました。
先ず、西田さんが中学生のときに、こ・はうすと関わり勉強を教えてもらい、温かい食事を食べた体験を元に、居場所の存在や人との繋がりの大切さ、その後、高校生のときにはボランティアとして子どもたちと接し、今後も子どもたちと関わる仕事をしたいと話しました。古谷さんは、スクールソーシャルワーカーが一年雇用の不安定な中で、一人の子どもをどのようにサポートできるか、ケース会議を開き対応している現状や役割を伝えました。木下さんは、橋本市での子どもや保護者も含めた「学校のプラットホーム化」を進める中で、学校・地域・行政との連携作り、妊娠・出産・乳幼児期の保健師の役割の大切さ、そして学校現場との連携の問題点と解決に向けた取り組みを紹介しました。宇佐川さんは、太地町の子育て基本方針を交えながら、少ない人口だから取り組めているのではないことを具体的に話しました。太地町は「中学生会議」からの提案を大事にし、優先的に対応していること、お金がないはないなりに行っていることを伝えました。今後の課題は、太地町で育った子どもたちが、やがて太地町に帰ってくるために、太地町を知ってもらい、多岐な問題について学び、問題解決のための知識や能力を付けてくれる教育へのこだわりと取り組みを紹介しました。
交流会では、「今からできる!子どもの貧困対策」をテーマに、「ぶどう山椒」など特産品名の12グループを作り、若者がファシリテータ役を担い、自己紹介や今までの経験やパネルディスカッションでの話を元に、問題点やこれから何ができるかについて、意見交換を行いました。
参加者からは、「パネルディスカッションで現状を知ることができた。たくさんの子どもと接して仲良くなり、話が聞けるようになると何が辛いか、何が大変かは分かると思う(10代女性)」。「いろいろな立場からの発言があり、とても参考になりました。子どもを取り巻く環境は厳しいですが、様々な方々とつながりの中で未来に向けてやれることが沢山あると思えました(50代女性)」。「有田地方にはNPOなどの社会資源が少なく、子ども食堂や居場所は必要ですが、それをしてくれる人材や風土を育てるところから始めなければならず補助金等があっても活用できません。何をするにもやはり『人』が大切です(40代女性)」。「パネリストのみなさんの話に共通していた地域・学校・家庭・行政が連携して場当たり的な対応ではなく、継続した仕組みや対策が必要だと感じました。(女性)」。「みなさまの報告はすばらしいかった。ただ、あすのばがアウトリーチしてつかんだ日本の実情も聞きたかった(50代男性)」等の感想や意見が多世代から寄せられました。
当日は、毎日新聞社・産経新聞・和歌山放送・和歌山民報の4社が取材し、掲載・報道しました。
【子どもの貧困対策全国47都道府県キャラバンin和歌山】
日時:2019年10月26日(土)13時30分~17時
場所:河西コミュニティセンター多目的ホール大(和歌山市松江北2-20-7)
主催:公益財団法人あすのば
共催:和歌山大学教育学部・和歌山信愛大学子ども教育学科
後援:内閣府、和歌山県・和歌山県教育委員会・和歌山県社会福祉協議会・
歌山市和歌山市教育委員会・和歌山市社会福祉協議会・有田川町・有田市・
印南町・岩出市海南市・かつらぎ町・上富田町・北山村・紀の川市・紀美野町・
串本町・九度山町・高野町古座川町・御坊市・白浜町・新宮市・すさみ町・太地町・
田辺市・那智勝浦町・橋本市日髙川町・日高町・広川町・みなべ町・美浜町・湯浅町・
由良町・東京医療保健大学和歌山看護学部
協力:特定非営利活動法人子どもの生活支援ネットワークこ・はうす
助成:公益財団法人キリン福祉財団
参加者:計109人