子供の貧困対策に関する大綱案に対する意見について
公益財団法人 あすのば
公益財団法人あすのばは、先に改正法が施行された「子どもの貧困対策の推進に関する法律」に関する大綱案に関して、2019年11月1日付けで、下記の通りパブリックコメントを提出いたしました。
今後も、すべての子どもたちが明日に希望を持って、人生を送っていけるように政策提言を続けて参ります。
参考Link:子供の貧困対策に関する大綱~ 日本の将来を担う子供たちを誰一人取り残すことがない社会に向けて ~(案)
新たな大綱案の作成において、法律改正を踏まえ、子ども・若者を含め広く市民の意見を反映していただきました。多くの点で前進があり、内閣府はじめ文部科学省・厚生労働省など政府各府省のご尽力に心から感謝申しあげます。
以下、赤字部分は追記を、赤字打ち消し線部分は削除をしていただきますようお願い申しあげます。なお、必要に応じて【】内にその理由を記入しています。大綱案のページをp.で示しています。
p.1
(「子どもの貧困対策の推進に関する法律」の制定と改正)
・基本理念として子供の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、子供の最善の利益が優先
【児童の権利に関する部分は、法第2条のとおりとする】
(新たな大綱案作成の経緯)
・諸施策の進捗状況を把握し、貧困の状況にある子ども及びその保護者、学識経験者、子どもの貧困対策に係る活動を行う民間の団体その他の関係者など幅広く関係者から意見聴取
【法第15条のとおりとする】
p.3
(1)貧困の連鎖を断ち切り、全ての子供が夢や希望を持てる社会を目指す。
・子供の現在及びの貧困の改善に取り組み、将来を見据えた対策を実施する
(3)支援が届いていない、又は届きにくい子供・家庭に配慮して対策を推進する。
・積極的に利用したがらない積極的な利用に抵抗がある
【スティグマなどから、利用したくても周囲の目を気にするなどで利用できない場合が少なくないため】
・ひとり親支援に係る地方公共団体窓口のワンストップ化の推進等や家庭などに訪問して情報提供や相談に応じるアウトリーチ等
【窓口のワンストップ化は、ひとり親支援に限定せずに、またアウトリーチも重要であるため】
p.4
(4)地方公共団体による取組の充実を図る。
・国、地方公共団体、民間の企業や団体、地域住民等が、それぞれの立場から主体的に支援に参画していく必要がある
・地方公共団体の役割は重要である。り、地方公共団体が、団体、地域住民の支援にかかわりやすい条件を整備していくことも大切である。
【子どもの貧困は、支援団体や地域住民に責任を帰するものではないため】
・また、都市部以外の地域では、子供の支援に関わるNPO等が少なく、存在していても財政基盤が脆弱であったり、行政の支援を十分受けられないなどの課題を抱えている。こうした地域におけるNPO等への財政的支援を含めた支援や育成の推進に努める。
(1)教育の支援では、学校を地域に開かれた子供の貧困対策のプラットフォームと位置付けるとともに、高校進学後の支援の強化や教育費負担の軽減を図る。
・学校を地域に開かれた子供の貧困対策のプラットフォーム
【子供の貧困対策を強調しないと学校の取組は後退する懸念が大きいため】
p.5
(2)生活の支援では、親の妊娠・出産期から、社会的孤立に陥ることのないよう配慮して対策を推進する。
・親の妊娠・出産期からの相談支援の充実を図るとともに、就学を継続しやすい環境づくりや子供及びその保護者との交流の機会
(4)経済的支援に関する施策は、様々な支援を組み合わせてその効果を高めるとともに、必要な世帯へ支援の利用を促していく。
・経済的支援は、親の健康状態や就労状況にかかわらず世帯の日々の生活を安定される観点から重要である。り、所得の再分配機能の強化が必要である。
・金銭面だけでなくとともに、親の働き方や子供との関わり方
【所得の影響を否定する書き方は避けたほうがよいため】
p.7
第3 子供の貧困に関する指標
・子供の貧困に関する指標を設定する。し、その改善に取り組む。
(幼児教育・保育の無償化)
・質の高い幼児教育を受けられるよう、給食費の負担軽減を含め
【低所得世帯の給食費負担増大した自治体もあるため】
(幼児教育・保育の質の向上)
・各地方公共団体への「幼児教育センター」の設置や「幼児教育アドバイザー」の育成・配置等、
【子供の貧困対策に直接関係のない施策と考えるため】
・訪問型家庭教育支援等の取組を推進するとともに、乳幼児ソーシャルワーカーの配置を促す。
p.8
(2)地域に開かれた子供の貧困対策のための学校プラットフォーム
・地域に開かれた子供の貧困対策のための学校プラットフォーム
【子供の貧困対策を強調しないと学校は動かないため】
(スクールソーシャルワーカー等が機能する体制の構築)
・福祉部門や放課後児童クラブとや教育委員会・学校等
【地域的多様性が大きいので、「と」という限定する書き方では無理が生じる自治体も多いのではないかと危惧するため】
(学校教育による学力保障)
・(安心して過ごせる居心地の良い学校生活の保障・教職員の子どもの貧困への理解の促進)
貧困の子どもたちは、教員の理解不足から、忘れ物の多さや生活習慣の厳しさなどを指導され、学校にいづらくなることもしばしばある。その際、子供が学校において安心して過ごし、悩みを教職員に相談できるよう、多様な視点からの教育相談体制の充実を図る。なお、不登校の子供たちへの居場所、フリースクール等への通学支援等も拡充する。
【大切な部分なので、2段落目以降の別建てを希望します】
p.9
(高等教育の修学支援)
・大学等の修学に係る経済的負担の軽減を図る。とともに大学等の受験料の支援も拡充する。
p.10
(児童養護施設等の子供への学習・進学支援)
・施設内に居住している大学生等外部の信頼できる団体との連携等により、大学生や社会人を活用した学習指導
【社会的養護の若者だけを活用しないといけないのでしょうか。対価が支払われなければ、搾取にあたるとも考えられます。実際には、外部団体連携で施設居住していない大学生や社会人も学習指導にあたっているので、上記のような表現にあらためてください】
p.11
(高校生等への修学支援等による経済的負担の軽減)
・低所得世帯への支援の充実を図る。また、入学準備のための費用、通学費、給食費、資格取得費用、模擬試験の受験料、大学等の受験料等の負担軽減をすすめる。
(生活困窮世帯等への進学費用等の負担軽減)
・その子供の分の住宅扶助額を減額しないこととする。など、世帯分離の廃止に向けた取組をすすめる。
(ひとり親世帯等への進学費用等の負担軽減)
・母子父子寡婦福祉資金貸付金による経済的支援を引き続き実施する。とともに、児童扶養手当等の高等教育在学中までの延長等、進学費用等の負担軽減に努める。
p.12
(学生支援ネットワークの構築)
・各大学等における取組を推進する。また、現在の金銭面での不安や家族関係の不安、将来の進路選択などの相談体制を充実させるためにソーシャルワーカー配置も含めた支援体制を拡充する。
p.13
(学校給食を通じた子供の食事・栄養状態の確保)
・低所得世帯への支援を引き続き実施する。とともに、学校給食の無償化への取組をすすめる。
・健康の保持増進に努める。とともに、完全給食の全校実施への取組をすすめる。また、長期休暇中の放課後児童クラブ等への給食の提供を促進する。
p.15
(保育等の確保)
保育の受け皿確保と、子どもの貧困とは直接関連しないので不要な施策は削除するか、関連性を明確にしてください。
(生活困窮世帯等の子供への生活支援)
・学習支援や進路選択に関する相談等の支援のほか、学校・家庭以外の居場所づくり、入浴や食事の提供、子供や保護者への生活習慣
p.17
(食育の推進に関する支援)
・さらに、フードバンクなど食に困窮する世帯への食料支援も拡充する。
(子供の社会的自立の確立のための支援)
・さらに、高等教育に進学しない子供の就業と就業後の早期離職を防止するために、高等教育進学に準じた経済的支援を含めた総合的な支援を拡充する。
p.22
(児童手当・児童扶養手当制度の着実な実施)
・事務の円滑な履行に努める。加えて、児童手当及び児童扶養手当等の経済的支援を拡充するとともに、ふたり親世帯を含む困窮世帯等への経済的支援も推進する。
p.23
(教育費負担の軽減)
・全ての意思ある子供が安心して教育を受けられるよう
p.24
1 国における推進体制
・施策の推進に当たっては、貧困の状況にある子供及びその保護者、学識経験者、子供の貧困対策に係る活動を行う民間の団体その他の関係者の意見を重視し、子供の支援に関わる全ての政策分野との連携に留意する。
2 地域における施策推進への支援
・市町村に対し子供の貧困対策についての計画の策定が努力義務とされたことも踏まえ、貧困の状況にある子供及びその保護者、学識経験者、子供の貧困対策に係る活動を行う民間の団体その他の関係者の意見を反映し、地域の実情を踏まえた計画
【改正法の付帯決議二を反映】
・地方自治体において子供の貧困対策が実施されるよう、適切な財政等の支援を行う。
【改正法の付帯決議五を反映】
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